インドネシアの投資環境
インドネシアの投資環境
基本情報
インドネシア共和国は、陸地面積約190万平方キロメートル(日本の約5倍)で、人口約2億5千万人。主な言語はインドネシア語であるが、約300以上の民族と約250以上の民族語が存在すると言われる。人口の8割以上はイスラム教に属し、その他にはヒンズー教、キリスト教など。
経済等
2010年のインドネシア実質GDP成長率は6.1%。今後も個人消費や輸出の伸びに支えられて、緩やかだが堅調な成長が見込まれている。インドネシアには、生産年齢人口増加による人口ボーナス、世界有数の豊富な天然資源などの発展潜在性がある。政府は、2011~2014 年の間にGDP年平均6.4~7.5%、2015~2025年に同8~9%の経済成長を達成し、2025 年に一人当たり国民所得1万5000 ドル前後の高所得国となることを目指している。
為替管理及び銀行等
資本取引においては、外貨の持ち込み、持ち出しは、通貨、金額にかかわらず制限はない。US一万ドル以上の外貨受領、送金の場合は、送金目的等を中央銀行に報告する義務がある。ルピア現金の海外への持ち出し及び海外からの持ち込みについても自由であるが、1 億ルピア以上の場合、それぞれ中央銀行の許可、税関での真偽検査が必要である。

インドネシアの地場銀行は政府系銀行(5行)と民間銀行がある。外国銀行も1988年の規制緩和により増加した。日系銀行は、みずほ、SMBCが現地法人として、東京三菱は支店形態で進出している。また、りそな銀行は現地資本への一部出資という形態で事業を展開している。取り扱い通貨は銀行により異なるが、インドネシアルピアとアメリカドルはほとんどの銀行で取り扱いがある。日本円は銀行によってまちまちだが、日系の銀行であれば取り扱いをしている。
貿易管理
インドネシアにおける貿易管理は商業省の管轄である。法律により一部、輸出入を規制及び禁止している品目がある。輸入を行うものは商業省より製造業の場合、API-P(生産輸入業者登録)、商社等の場合、API-U(一般輸入業者登録)を取得する。また関税局にも輸入者登録(NIK)を行わなければならない。また、一部の品目の輸入には特殊輸入承認番号(NPIK)を取得する必要がある。

インドネシアへの輸入時には、通常、関税(0~150%)・付加価値税(10%)・前払法人税(2.5%又は7.5%)が課税される。インドネシアはASEANのメンバー国として、対ASEAN諸国への輸出入については、関税撤廃又は一定の軽減税率を適用している。また、インドネシアは日本、中国、韓国、インドとも自由貿易地域協定の関税率を適用している。日本インドネシア経済連携協定(EPA)は関税の撤廃又は削減、投資規制撤廃、人的交流の拡大等を目的としており、諸手続きを踏むことによって、通常より低い関税率を適用することが可能である。
投資規制
外国投資に関する認可は投資調整庁(BKPM)の管轄であり、インドネシアへの投資を行う際は、まず投資調整庁により発行されている“投資ネガティブ・リスト”をチェックする必要がある。このリストは、外国投資家に閉鎖・規制されているビジネスセクターを示している。最近の改正では、外資企業に内国企業と同じ待遇を与える(投資の内外無差別)ことや、投資を速やかに行えるように投資申請窓口を投資調整庁で一本化する等、外国人が投資を行いやすい環境づくりに取り組んでいる。投資調整庁によると、2010年度の新規外国直接投資は案件ベースで日本はシンガポール、韓国に次いで3位であった。
投資に対する優遇措置
事業開始時における輸入関税の軽減
製造会社等が事業開始又はその事業拡大時において機械・物資・原材料を輸入する場合、輸入関税を免除。対象となっている産業は製造業と非製造業の一定業種。 免除期間は事業開始・拡大いずれの場合でも免除決定から2年間。
 保税地域/倉庫に対するインセンティブ
保税地域に所在する製造会社は、関税、物品税、22条源泉所得税、生産プロセスにおける原材料を含む資本財及び機器にかかる付加価値税等の保税措置がある。
経済統合開発地域(KAPET)に所在する企業に対する優遇措置
経済統合開発地域(KAPET)と呼ばれるインドネシア国内13の地域に立地する製造会社は、製造活動に直結する資本財、原材料、その他機器の輸入に対し保税地域/倉庫と同様の税制面での優遇措置がある。また機械設備の加速度償却、法人所得税の計算において最高10年間の欠損補償等の措置も設けられている。
土地の権利
事業権(HGU)は現行65年から最長95年、建設権(HGB)が現行50年から最長80 年、土地利用権(HP)が現行45年から最長70 年へ延長された。
これ以外に、最近、インドネシア政府は、エネルギーや金属加工分野等を含む産業分野での少なくとも1兆ルピアを超える新規投資案件に対し、一定のタックスホリデー(免税期間)を与えると発表した。
労働コスト
東アジア主要国のなかで労働コストを比較すると、かつてインドネシアは中国と並んで最も賃金水準が低いレベルにあった。しかし、最近ではジャカルタを中心に賃金の上昇傾向が続いている。一方で、まだまだ国内に優秀な労働力や中間管理層・技術者などが不足している。優秀な人材は常にキャリアアップを目指して数年おきに転職を繰り返す傾向にあり、日本のように長期安定的な雇用は比較的難しいと言える。2011年のジャカルタ地域での最低賃金は1,290,000ルピア(約130USD)。